第30回運営小委員会

第30回運営小委員会 議事録

1.開催日時:平成28年6月3日 9:00~12:40
2.開催場所:(株)東芝 横浜事業所 厚生棟2階会議室
3.出席者  :勝村(JRIA)、高木・山本(東芝)、渡辺(東北大学)、内田・塚田(JAEA)、目黒(元原電)、瀧口(元東芝)、久宗・中野(原電)、久家(宮田副部会長代理 関電)、長谷川(東京電力)、稲垣(中部電力)、寺地(INSS)、荘田(三菱重工)、長瀬(日立GE)、室屋(大阪大学)、河村・藤原(電中研)、大橋(オルガノ)、星野(電発)【敬称略、順不同】
4.議事
(1) 前回議事録の確認
庶務担当より既にメールて回覧済みであることから 、本委員会で承認し、追加でコメント等あれば庶務担当まで連絡することとなった。
(2) 平成28年度部会等運営委員の選任について
平成27年度で任期満了(原則2年)となる部会等運営委員について、平成28年度は引き続き星野委員が再任することで承認された。
(3) 第28回定例研究会について
次回幹事である久家氏(関西電力)より日程、場所及びテーマについて提案があり、以下の計画にて進めて行くこととなった。
・11月18日(金)午後、堂島リバーフォーラム(大阪市)にて開催する。
なお、午前に運営小員会を開催する。
・「被ばく線源強度低減(被ばく、廃棄物)」を基調テーマとし、BWR及びPWRの各電力(東電・関電)より被ばく低減に係る活動状況を、またBWR及びPWRの各メーカ(日立GE・三菱)よりプラント長期停止後の低減対策について発表する。廃棄物関係では、福島汚染水処理に係るトリチウム除去技術がテーマ案として挙がっているが、進捗状況に鑑み、他のテーマの可能性も含めて東芝にて検討する。
・具体的な内容、講演者等について今後関係者と調整を進める。
(4) 2016年水化学部会サマーセミナーについて
荘田委員(三菱重工業)より、プログラムの一部変更及び2日目午後に開催する人材育成に係るパネルディスカッションの進め方について提案があり、その他プログラム変更も含め、以下の計画にて進めることとなった。
・1日目午後開催のポスターセッションは、審査等含め余裕を持って行えるように、結果発表を行う交流会直前の最終時間帯(17:00~18:00)から、講演セッション合間の時間帯(14:50~16:00)に変更する。
・1日目午後開催のテーマ「プラント水化学管理実績と今後の課題(3件)」のうちのBWR関係の発表は、日立GEにて実施して頂く方向で調整する。
・2日目午前開催のテーマ「プラント再稼働対応・長期停止時の水化学管理提案と実績(4件)」について、4件目の発表(BWRプラントの取り組み状況)はまだ再稼働の実績がないことから取り止め、その代りに、長期停止時の保管等再稼働対応についてBWR及びPWRとの比較も含めその基本方針を整理した総括的な発表を1件目(原電)に行う。 また、3日目の見学会にて放映を予定していた川内原子力発電所の特重関係の設備対応紹介ビデオは、3件目の九州電力の発表の中で行う。
・2日目午後最初のセッション(3件)については、最初の2件の発表順位を入れ替える。また、3件目の水化学ロードマップフォローアップ状況の発表においては、新規制基準対応として水化学の観点での新たな対応課題も発表に織り込む。
・2日目午後開催の人材育成に係るパネルセッションは、主題、進め方、モデレータ、パネラー候補等について提案どおり承認され、モデレータは第26回定例研究会にて御尽力いただいた寺地委員に引き続き対応していただき、パネラーは、学術・産業界より10名選出する。その他セッション座長選出等も含め、引き続き準備を進めて行く。
・その他開催地までの移動方法について、熊本地震による被災後の新幹線等交通機関の復旧状況を確認する。
(5) NPC2016への参加対応について
河村委員(広報・編集担当)より、NPC2016の報告書作成方法について提案があった。
報告書は出版権に抵触しないよう参加機関のみへの限定配布とし、参加者が分担して、論文のキーとなる必要最低限の図表を引用するなど概要版を作成する。なお、作成分担については、発表プログラムが公開され次第検討し、次回運営小委員会で確認する。また、来年3月開催の定例研究会での報告の他、水化学部会報及び学会誌へ投稿し、広く学会員に紹介することとし、広報・編集担当にて対応していく。
また、勝村部会長より、前回の国際会議(2014札幌)にて、日本側より提案したCM(Core Member)決定法の案について説明があり、今回のCM会議にて最終確定される方向である旨紹介があった。また、今回日本側のCMメンバーに就任予定である渡辺副部会長にも、CM会議に同席していただくこととなった。
(6) 将来構想検討WGの活動計画について
久宗委員(企画担当)より、水化学部会の今後の新たな活動計画について今年度より具体的な検討に着手するに当たり、その検討方針について提案があった。
昨年度より人材育成及び技術伝承も含め水化学ロードマップの改定作業に取り組んでいるが、新たな福島事故対応の他、原子力に対する環境変化も踏まえ、被ばく低減やSCC等環境緩和などの現状の課題にとらわれず、他部会との連携も視野に、材料や核燃料、廃棄物処理等における新たな課題も発掘し、活動を拡げて行くことが重要であるなど意見が出された。
本件は人材育成・技術伝承も含め水化学部会の将来に係る課題であり、将来構想WG(幹事:寺地委員)の運営小委員だけでなく若手技術者も含めた体制とすることとし、主査(渡辺副部会長)及び副主査(室屋委員)のもと、委員(電力、メーカ、電中研、JAEA等)については、課題について幅広く議論を進める上で水化学部会員に限定せず、他部会員の協力も得て、検討を進めて行くこととなった。6月中に委員を選出し、7月に検討着手、1年かけ検討を進めて行く。
(7) 「核分裂生成物挙動」研究専門委員会準備会報告書の発行について
内田顧問より、特別専門委員会の立ち上げ及び報告書発行について提案があった。
これまでの準備会の活動を踏まえ、まずは、次の段階である特別専門委員会として活動するための共通技術基盤を明確化及び共有化するために報告書を発行した上で、特別専門委員会を立ち上げたい旨提案があった。設立に当たり報告書発行は必須であることから、作成・発行に係る費用は水化学部会の予算にて対応することで承認され、報告書の発行時期、仕様・発行部数等を精査した上で、今年度に費用が発生する場合には、予算外申請にて対応することとなった。
(8) 2016年秋の大会企画セッションについて
山本委員(東芝)より、秋の大会企画セッション提案書について説明があった。
テーマは本日午後開催の定例研究会と同じ「福島第一原子力発電所廃止措置の現状と今後の取り組み」とし、講演者も同様、廃棄物処理関係はバックエンド部会に、燃料デブリ性状関係は核燃料部会に依頼することとし、3部会共催にて進める旨説明があった。本計画にて進めることで了承され、他2部会に正式に承諾を得ることとする。
(9) 「沸騰水型原子炉一次冷却系の腐食環境の定量評価の現状と標準化のための課題(仮称)」技術報告書の作成状況について
高木副部会長(東芝)より、技術報告書の作成状況について説明があった。
昨年末にHWC技術報告書検討会を立ち上げ、これまで標準化の観点から重要である精度向上のための課題摘出を中心に、パラメータの整備、妥当性等検討を鋭意進めてきている。先月第1回の検討会を開催しており、あと数回の開催を重ね、報告書レビューを行い、報告書発行にこぎ着ける予定である旨、紹介された。
また、山本委員(東芝)より、解析におけるパラメータ設定、妥当性検証状況について紹介があった。
(10) その他
庶務担当より、核燃料部会にて設立を進めている燃料デブリ研究専門委員会について、水化学部会からの委員参加応募状況について紹介があった。
以 上

第31回運営小委員会

第31回運営小委員会 議事録

1.開催日時:平成28年7月14日 12:00~12:55
2.開催場所:薩摩川内市 ホテル オオトリ
3.出席者  :勝村(JRIA)、高木(東芝)、渡辺(東北大学)、内田(JAEA)、久宗・中野(原電)、久家・赤峰(宮田副部会長代理 関電)、長谷川(東京電力)、稲垣(中部電力)、寺地(INSS)、荘田(三菱重工)、大田(長瀬委員代理 日立GE)、室屋(大阪大学)、河村・藤原(電中研)、大橋(オルガノ)、星野(電発)【敬称略、順不同】
4.議事
(1) 前回議事録の確認
庶務担当より既にメールにて回覧 、コメント反映済みであり、本委員会で承認し、追加でコメント等あれば庶務担当まで連絡することとなった 。
(2) NPC2016への参加対応について
河村委員(広報・編集担当)より、NPC2016の報告書作成方法について、その目次案、作成分担案について提案があった。
目次案を基に割り振った分担案をベースに、各参加機関からの出席者を確認の上、ポスターセッションの分担も含め最終決定することとし、参加機関の各委員は8月末までに河村委員に参加者を連絡する。なお、報告書は前回承認されたとおり、参加機関のみへの限定配布とし、参加者が分担して、論文のキーとなる必要最低限の図表を引用するなどして概要版を作成する。
(3) 2016年秋の大会 企画セッションについて
高木副部会長(東芝)より、秋の大会企画セッションの準備状況について説明があった。
セッション開催日時は、大会3日目の9月9日(金)の午後13時から14時半の時間帯で、「福島第一原子力発電所廃止措置の現状と今後の取り組み」をテーマに5件の発表を行う。講演タイトル及び後者者は確定し、期限の8月2日までに予稿集を学会事務局に提出することで準備を進めている。
(4) 「沸騰水型原子炉一次冷却系の腐食環境の定量評価の現状と標準化のための課題(仮称)」技術報告書の作成状況について
高木副部会長(東芝)より、技術報告書の作成状況について説明があった。
パラメータ整備の中でラジオリシスパラメータの統一は見通しを得たが、さらにプラントパラメータ、腐食電位パラメータの統一化を図って行く。2回目の技術検討会を開催して報告書レビューを行う予定であり、その結果を次回運営会で報告し、定例研究会にて部会員にも報告する予定。当初計画どおり今年度内の発行に向け、引き続き作業を進めて行く。
(5) 2016年度部会報の発行について
2016年度部会報の発行について、太田氏(広報・編集担当 長瀬委員代理)より目次案の提案があった。
基本的に従来どおりの目次構成とし、今年度開催のサマセミナー、NPC2016(英国ブライトン)及び定例研究会の報告の他、特別寄稿を掲載する。特別寄稿としては福島第一原子力発電所の近況、プラント再稼働における水化学管理実績、昨年度より検討会を設け活動してきているFP挙動研究専門委員会設立準備他等の中から2件程度の話題を掲載する。その他学会標準策定や今年度より活動を開始した将来構想検討についても進捗状況に応じ掲載することとし、次回運営小委員会にて作成計画案を審議する。なお、発行は2017年2月の予定とする。
(6) その他
宮田副部会長の代理として常時出席していただいた久家氏(関西電力(株))がこの度異動となり、後任として赤峰氏に出席していただくこととなった。
以 上

第32回運営小委員会

第32回運営小委員会 議事録

1.開催日時:平成28年11月18日 9:00~12:00
2.開催場所:堂島リバーフォーラム2階 204会議室
3.出席者  :勝村(JRIA)、高木・山本(東芝)、渡辺(東北大学)、内田・塚田・塙(JAEA)、久宗・中野(原電)、赤峰(宮田副部会長代理 関電)、鈴木(長谷川委員代理、東京電力)、寺地(INSS)、西村(荘田委員代理 三菱重工)、長瀬(日立GE)、室屋(大阪大学)、河村・藤原(電中研)、大橋(オルガノ)、星野(電発)【敬称略、順不同】
4.議事
(1) 前回議事録の確認
庶務担当より既にメールて回覧済みであることから 、本委員会で承認し、追加でコメント等あれば庶務担当まで連絡することとなった 。
(2) 第29回定例研究会について
次回幹事である久宗委員(日本原電)より次回定例研究会の開催について提案があり、テーマは「水化学RMと深層防護との関連+NPC2016報告」とし、来年3月1日(水)の午後、日本原電本店にて開催することで承認された。
また、次々回の定例研究会について幹事である塙委員(JAEA)より、材料・腐食に係る基礎研究を中心としたテーマを考えている旨紹介があり、来年6月頃、千葉県柏周辺にて開催することで計画を進めていくこととなった。
(3) 2017年春の年会企画セッションについて
山本委員(企画担当)より次回以降の企画セョションについて提案があり、現在進めているロードマップの改定及び将来構想検討WGの作業が年度末に集中することから、2017年春の年会は見送ることとなった。また、2017年秋の大会では開催する方向とし、同時期に開催が予定されているアジア水化学・腐食シンポジウムの対応も配慮し、無理のない計画にて検討を進めて行くこととなった。
(4) 次期運営小委員会委員選挙に係る選挙管理委員会の設置について
星野委員(庶務担当)より、今年度にて任期満了となる運営小委員会委員の選挙について、今後のスケジュール等提案があった。
年度末開催の水化学部会全体会議での結果報告に向け、来年1月下旬の候補者受付締切(受付期間2週間)及び2月下旬の候補者新任投票終了(投票期間2週間)を考慮し、年明け1月初旬に選挙管理委員会を発足する工程が示され、選挙管理委員会の発足を含め本スケジュールにて選挙を進めていくことについて全員一致で承認された。
また、次年度体制については、ロードマップ改定作業を精力的、組織的に進めて行くために再度ロードマップフォローアップWGを立ち上げることとし、年度末開催の全体会議にて設立の提案、規約改定を進めることとなった。
(5) 2016年度部会報の発行について
長瀬委員(広報・編集担当)より、前回の継続審議案件となっていた特別寄稿のテーマ選出について提案があった。
特別寄稿は2件程度掲載することとし、震災から6年を経過する福島第一原子力発電所の近況1件と、現在検討を進めている課題の中から「核分裂生成物挙動」研究専門委員会準備会の活動状況の1件を寄稿することとなった。その他寄稿希望があれば担当委員に連絡する。
また、今年度限りで退任を希望されている石槫顧問及び目黒顧問に水化学部会への感想と今後の要望等について執筆いただくよう働きかけることとなった。
(6) 日本原子力学会誌「アトモス」への連載投稿について
久宗委員(企画担当)より、学会本部から検討依頼のあった学会誌「ATOMOΣ」連載講座への執筆対応について報告があった。
過去の連載講座(2009年2月から12月)では「軽水炉プラントの水化学」をテーマに水化学の基礎をはじめ腐食等環境緩和、被ばく線量低減等を掲載したが、福島事故後のプラント長期停止状況下では運転データ等蓄積がないことからこれら続編の作成は難しい。従って、これまで定例研究会や企画セッションで取り上げてきた福島事故に係る汚染滞留水処理、海水注入による腐食や放射線分解への影響、核分裂生成物挙動等を題材とした「福島第一事故後の対応(仮題)」を連載する。なお、上記テーマに加えて、BWRプラントの新規制基準対応を追加することを検討する。
第1回目の原稿提出時期を2018年4月とし、2017年度下期から原稿作成に取り掛かる計画とする。
(7) 将来構想検討WGの活動状況について
寺地委員(WG担当委員)より将来構想検討WGの活動状況について報告があった。
第1回検討WGを10月に開催し、渡辺主査(副部会長)、主要各社からベテラン及び若手の2名ずつ総勢19名参加のもと、活動計画について意見交換を行った。将来どのような方向に向かって行くか、委員の立場でそれぞれ部会に求める期待が様々であることから、まずはアンケート調査を行い、それを踏まえ議論を進めて行くこととなった。12月開催予定の次回検討WGではアンケート内容詳細について議論することとしており、来年3月あるいは6月の定例研究会の報告にて、方向性を示せるよう作業を進めていく。
(8) 水化学ロードマップ2016(仮称)のフォローアップ状況について
河村委員(企画担当)より、ロードマップ改定の活動状況について報告があった。
これまで9月及び10月の2回打ち合わせを開催し、他部会及び国プロとの連携、自主的安全性向上を見据えたフォローアップの観点から、あらたに深層防護(安全研究)の視点からの課題抽出及び、それに応じた課題調査表の記載方法見直しが必要であり、これらについて具体的な方針を議論した。深層防護に関連付けた課題摘出においては幅広く意見を取り入れる必要があることから、来年3月の定例研究会で取り上げる予定である。
また、2017年度に水化学ロードマップの印刷物とするため、11月末提出期限の次年度予算に計上、申請する。
(9) 学会標準「水化学管理指針」の策定状況について
中野氏(日本原電)より水化学管理指針策定状況について報告があった。
水化学管理指針は9月開催のシステム安全専門部会での審議を経て10月に決議投票が実施され可決された。投票で受けたコメントの回答も含め投票結果は水化学分科会で審議済であり、11月下旬のシステム専門部会に上程し審議予定である。
その他、BWR分析標準は作業会にて原案を作成し、既に分科会での審議が終了しており、上記開催予定のシステム専門部会で中間報告を行う予定である。また、PWR2次系水化学管理指針は本体の規程事項まで作成が終了し、今後附属書及び解説の作成を進めていく予定である。
(10) 日本保全学会ハンドブックの執筆対応状況について
久宗委員(企画担当)より、日本保全学会より執筆依頼のあった保全ハンドブック「第Ⅱ編 第11章 水化学」の策定状況について報告があった。
既に第一次原稿を9月末に保全学会事務局に提出済であり、今後評価員によるレビューが実施される予定である。レビュー結果を受け次第、コメント対応と合わせ現在随所に見られる重複記載箇所の調整を進めて行く。
(11) 「核分裂生成物挙動」研究専門委員会準備会の活動及び専門委員会発足準備状況について
内田顧問より、特別専門委員会の立ち上げ準備及び報告書策定状況について報告があった。
準備会はこれまで14回の開催を重ね論文71件を調査し、抄録としてまとめ上げ、現在、本抄録をベースに技術報告書の作成に取り掛かっている。併せて研究専門委員会の立ち上げ準備を進めており、12月開催予定の廃炉検討委員会にて、本研究専門委員会の設立趣旨等を紹介する予定である。
また、技術報告書については次年度に発行することとし、印刷製本費を次年度予算に計上、申請する。
(12) 「沸騰水型原子炉一次冷却系の腐食環境の定量評価の現状と標準化のための課題(仮称)」技術報告書の作成状況について
山本委員(東芝)より、技術報告書の作成状況について説明があった。
課題摘出を中心に、パラメータの整備、妥当性等検討を鋭意進めて来ており、年内を目途に報告書案を纏め上げ、来年1月に開催予定の検討会でレビューを実施する。なお、レビューに際しては、検討会メンバー以外の分野からのレビュアーの参加も配慮する。
なお、技術報告書は当初年度内に発行する計画とし、予算を確保していたが、作業進捗状況から次年度発行に変更することとし、11月末提出期限の次年度予算申請にて組み換えを行う。
(13) 2016年秋の大会企画セッションについて
山本委員(企画担当)より9月の秋の大会にて3部会(水化学部会・バックエンド部会・核燃料部会)合同で開催した企画セョションについて報告があった。
「福島第一原子力発電所廃止措置の現状と今後の取り組み」をテーマに5件の講演を行った。会場の定員を超える多くの聴講者の参加があり、本テーマについては引き続き非常に関心が高いことが伺え、今後もさらに関連部会との連携を深め活動して行く。
(14) 夏期セミナー収支他について
西村氏(荘田委員代理)より7月に鹿児島県薩摩川内市で開催した夏期セミナーについて収支結果等の報告があった。
参加者は、当初目標の80名に対し78名(学会員37名、非学会員39名及び学生2名)であった。セミナー初日に開催したポスターセッションでは12件の発表があり、また、最終日の見学会(九州電力(株)川内原子力発電所)には40名の参加があった。収支は黒字であり発生した差額は余剰金として処理する。
(15) NPC2016(Brighton)開催報告について
勝村部会長より10月に英国Brightonにて開催されたNPC2016について報告があった。
総参加者数は243名で、開催国の英国からは75名が、日本からは31名の参加となった。その他国ではフランスが30名、米国が22名であった。なお、日本から参加した寺地委員がポスターセッションにて最優秀賞を受賞された。
次回2018年は米国EPRI主催のもとサンフランシスコにて、また次々回2020年にはフランス原子力学会主催のもと南フランスにて開催予定である。その他、前回のNPC2014札幌にて日本より提案したCM(Core Member)選出方案は最最終的にGuidelineとして作成される予定である。
(16) その他
次回運営小委員会は、平成29年3月1日(水)の午前、日本原電本店にて開催する。併せて、午後は水化学全体会議及び定例研究会を開催する。
以 上

第9回研究会議事録

水化学部会定例研究会 第9回研究会議事録

1.開催テーマ 「環境への影響低減」
2.開催日時:2010年3月9日(火) 13:30~17:00
3.開催場所:秋葉原UDXビル20階 日立製作所 会議室

4.内容
勝村部会長の開会挨拶に続き、今回のテーマの趣旨説明のあと、5件の発表があった。

趣旨説明
講演タイトル:2009年水化学ロードマップにおける「環境負荷低減」の概要
三菱重工業 荘田泰彦氏

講演概要:水化学ロードマップ2009の中での、“環境負荷低減”の位置づけとそれに関連する技術マップとその導入シナリオ、およびそれを実現するロードマップが紹介された。

講演1
講演タイトル:オフガス高感度モニタ
日立GEニュークリア・エナジー 曽田康敬氏

講演概要:BWRの燃料破損を検出する線形放射線モニタとバイアルサンプラを用いたバッチ式の核種分析に代わり、連続的に核種分析が可能となる高感度オフガスモニタについて紹介した。
Ge半導体検出器、電気式冷却器、FAパソコンと無停電電源装置を組合せ、低エネルギーγ線に適した薄型半導体の採用とバックグラウンドを低減するための減衰管を採用することにより、核種分析を連続かつ高信頼度で実現することを可能とし、燃料破損の早期検出に貢献する。

講演2
講演タイトル:PWRプラントにおける添加薬剤の低減に関する検討
三菱重工業 石原伸夫氏

講演概要:PWR二次系の構成材料の防錆剤として用いられているヒドラジンはPRTR法にて第一種指定化学物質に指定され、毒性を有することから今後は規制の強化が更に進んで使用できなくなることも想定される状況にある。このような状況の中で、火力やPWRプラントでの使用状況と代替え手法の検討状況を紹介した。代替え剤の検討と合わせて使用量の削減についても検討が進められているが、火力では代替え薬品の不適合で配管が減肉した例もあり、十分な検討が必要である。

講演3
講演タイトル:原子力水浄化装置の性能改善
荏原製作所 出水丈志氏

講演概要:原子炉浄化装置に採用されているろ過脱塩装置の構造、機能と性能改善への取り組み状況を紹介した。性能向上には流れの制御と均一なプリコートが重要であり、3段整流板を採用することで一方向流れを形成するとともに、低濃度で一定なプリコートスラリーを供給することで均一で良好なプリコート層が形成できる。エアバンプとエアスクラビングにより良好な逆洗性を得ている。さらに粉末カチオン樹脂の粒径制御によりアニオン/カチオン比を大きくすることで貫流イオン交換容量を増やせる可能性があることが示された。

講演4
講演タイトル:凝縮沈殿法を用いた高濃度塩化物イオン含有廃液からの放射能除去方法の開発
東電環境エンジニアリング 関晃太郎氏

講演概要:中越沖地震の影響で塩分濃度の高い水が管理区域内の廃液タンクに貯留されたが、廃液の性状が通常の放射性液体廃棄物処理設備での処理に問題があるものであった。そこで、4000tという大量の高濃度塩化物イオン及び微量の放射性物質を含む廃液処理手法を検討し、最適なアルカリ凝集沈殿の条件を決め、ろ過処理と組合せる方法を採用した。これにより、僅かの放射性廃棄物発生量で全ての廃液処理を完了した。

講演5
講演タイトル:上下水道システムにおける環境対応の動向と処理技術
日立製作所 エネルギー・環境システム研究所 陰山晃治氏

講演概要:上下水道システムの概要と環境規制への対応状況並びに開発技術であるオゾンマイクロバブルについて紹介した。上下水道システムで扱う水には水道水と再生水、下水放流水の3種類があり、それぞれに水質基準が設定され、それを満足させるために適した処理方法が採用されている。オゾン処理は臭気の除去などに有効であり、その利用効率を向上させるためマイクロバブルを活用する技術を開発した。この技術を適用することにより再生水の色度の顕著な低下を確認するとともに運転コストの低減にもつながることが示された。

5.連絡事項
1)次回定例研究会案内(東京電力・實重氏):次回は「人材育成・情報整備」に関し、東電 技術開発研究所にて5/31ないし5/24 に開催する予定
2)夏季セミナ案内(東芝・山崎氏):本年7/7、8、9の日程で宮城県松島のホテル大観荘にて開催予定。基調テーマは、「水化学技術の基盤と将来展望」。
3)次回総会案内(原電・瀧口氏):茨城大学にて開催される春の原子力学会にて部会総会を3/26、L会場で開催予定。                                    以  上

第12回研究会議事録

(社)日本原子力学会 水化学部会 第12回定例研究会実施報告
平成23年3月11日
(社)日本原子力学会 水化学部会

1.開催日時:平成23年3月7日(月) 13:30~17:00

2.開催場所:(財)電力中央研究所 狛江地区

3.参加者:51名

4.概要
「材料健全性」を基調テーマとし、構造材料のSCC評価に関わる電気事業者の取り組み、及びSCCメカニズム究明に関する研究の最新動向を紹介し、水化学面からの課題や方向性等について議論した。

講演1
講演タイトル:福島第二原子力発電所1号機における酸化チタン注入の実施について
演者:東京電力株式会社  小藪健
講演概要: Halden炉における酸化チタン注入実証試験結果および福島第二原子力発電所1号機における酸化チタン注入の概要について紹介があった。Halden炉試験では、炉外でも酸化チタン注入によるECP低下効果が見られ、低DO濃度域では炉内の酸化チタン注入環境下とECPはほぼ等しくなる結果が示された。実機注入では、ECP低下に必要な量の酸化チタンが付着し、燃料被覆管および水質への影響は見られていないとの報告があった。酸化チタン付着量調査は注入後4サイクルまで、被覆管の外観と酸化被膜厚さ調査については注入後5サイクルまで実施するとの計画を示した。また、ECP測定については、福島第一原子力発電所6号機の炉内にECPセンサーを設置・モニタリングすることにより、維持規格・原子力学会の水素標準に反映する計画を示した。
酸化チタン注入の目的(SCCの発生抑制なのか進展抑制なのか)、およびチェレンコフ光が届きにくい部位への効果に関する議論があった。

講演2
講演タイトル:PWR一次系 溶存水素濃度の最適化に関する取り組み
演者:日本原子力発電株式会社  杉野亘
講演概要:PWR一次系統内のニッケル基合金のPWSCC対策として検討が進んでいる溶存水素(DH)濃度の最適化に関する取り組みについて紹介があった。PWSCC進展速度のDH濃度依存性から、日本は現行より低い値(5cc-STP/kgH2O)で管理する低DH管理、米国では高DH管理(50cc-STP/kgH2O程度)を指向している。PWSCCの発生抑制に対しては、低DH管理の方が有利であるとのラボデータが示された。また、放射線分解への影響、燃料健全性および被ばく低減効果に対しても低DHの効果が見られるとの検討結果を示した。
低DH運転による構造材表面酸化皮膜の性状、290℃でのSCC進展抑制効果等に関する議論があった。

講演3
講演タイトル:JMTRを用いた水化学実験
演者:独立行政法人日本原子力研究開発機構  塙悟史
講演概要:材料試験炉(JMTR)へのインパイルループの設置と計画されている照射下水質評価試験の概要について紹介があった。JAEAではラジオリシスモデルの検証を目的としたECPセンサーの開発と照射下ECP測定を行うとともに、高精度な過酸化水素濃度測定技術を開発し、モデル検証・ベンチマークに使用可能なデータの取得を計画している。H24年度までにECPセンサーの照射下実証試験を終了し、H25年度より照射下水質評価試験を開始する計画を紹介した。
JMTRのPWR試験設備での試験計画、照射試験の概要等に関する議論があった。

講演4
講演タイトル:PWR環境における強加工ステンレス鋼のSCC進展速度
演者:株式会社原子力安全システム研究所  寺地巧
講演概要:270~360℃のPWR環境における強加工304鋼および316鋼のSCC進展速度に関する試験研究の概要について紹介があった。冷間加工度(降伏応力)の増加に従い亀裂進展速度は大きくなり、亀裂進展速度は加工方位にも依存する結果を示した。一方、温度の影響については、270~320℃程度まではアレニウス型の温度依存性を示すものの、320℃を超えると亀裂進展速度は低下する結果を紹介した。また、冷間加工度、応力、温度等をパラメーターとする亀裂進展速度評価式を提案した。
冷間加工度の影響、表面酸化皮膜の溶解の影響、疲労予亀裂先端部からのSCC亀裂分岐の影響、およびSCC亀裂進展速度評価式に関する議論があった。

講演5
講演タイトル:423および453Kの高温純水中における鋭敏化ステンレス鋼のSCC感受性に及ぼす過酸化水素の影響
演者:財団法人電力中央研究所  加古謙司
講演概要:高温純水中における鋭敏化ステンレス鋼のSCC感受性に及ぼす過酸化水素の影響に関する試験研究の概要について紹介があった。この研究は、BWRの起動時水素注入の条件の最適化を目的とし、起動時に発生する過酸化水素濃度と酸素濃度の指標となる実効酸素濃度条件および温度条件をパラメーターとして、過酸化水素共存環境下においてSSRT試験によりステンレス鋼のSCC感受性を評価したものである。423Kでは、実効酸素濃度400ppb条件でSUS304鋭敏化材にSCC感受性が認められず、453Kでは、実効酸素濃度20ppb条件でSCC感受性が認められなかったことから、423Kまでは、水素注入を実施しなくてもSCC発生域に入らず、453Kでは、実効酸素濃度を20ppbまで低減することでSCC発生域に入らないとの結果を示した。
ECP測定、起動時を考慮した温度域での影響評価、および実効酸素濃度に関する議論があった。

5.連絡事項
・次回は、2011年6月28日(火)、電源開発本店にて開催予定。