設立総会 総1-1 「水化学部会設置趣意書」

資料総1-1 (杜)日本原子力学会水化学部会設置趣意書

エネルギ-保障や地球温暖化防止の観点から原子力は我が国の基幹エネルギーと位置づけられている。現在、その中心的な役割を果たしている軽水炉では、炉心冷却材・中性子減速材である水(軽水)が、様々な温度・圧力・照射条件下で多様な金属材料と接しながら主幹系統内を循環している。水化学技術は、この界面で生じる構造材料・燃料の腐食損傷を環境面から予防すると共に、その結果生じる腐食生成物の移行・放射化を制御し、従業員の被ばく線量や放射性廃棄物の発生量の低減を通じて、原子力プラントの安全性維持と経済性向上に大きく寄与してきた。今後、軽水炉ではその利用の高度化、高経年化への対応及び燃料高度化の取り組みを本格化する方向にあり、これらに関連する技術開発の合理的な推進に貢献する視点から、水化学分野の研究および技術を一層高度化する必要がある。即ち、炉出力向上によって過酷化する放射線場や腐食環境にあって、経年劣化や高負荷により腐食影響を受けやすくなる構造材料や燃料の健全性を合理的に維持する必要がある。このため、腐食環境緩和技術の開発と適用およびその標準化を進めると共に、燃料・構造材料および関連する他分野における技術開発との調和・融合を図り、軽水炉の安全性・経済性を更に総合的に向上させていかなければならない。更に、これら水化学関連技術の基盤となる学問分野の基礎研究の育成・支援も不可欠である。また、このような取り組みの中で蓄積される知識や経験を、産官学が共有する水化学情報デ-タベースとして構築し、本分野或は関連する領域における人材育成と技術伝承、新たな技術開発、基盤整備と標準化、および科学的合理性を有する安全規制の推進に役立てる。また、既存軽水炉のみならず、次世代軽水炉、高速増殖炉および高速増殖炉を含む新型炉、或は、使用済み燃料の貯蔵・保管、再処理設備などの原子力施設の設計・建設・運転における水の挙動や水と構造材料・燃料材料との相互作用を広く検討対象として、その安全性確保や高度化に貢献する。更に、熟練技術者の減少や自然環境保護に対する意識の高まりが想定される将来を見据え、一層の被ばく低減や放射性廃棄物の発生抑制などの課題に取り組み、作業環境の改善や社会的受容性の向上を目指す。  (社)日本原子力学会では、1982年以来6期24年間に亘る活発な水化学研究専門委員会活動を展開してきたが、上述の如く原子力において今後水化学が果たすべき使命の普遍性・重要性を鑑みると、核燃料・材料・再処理など課題を共有する部会間、或は、国際レベルでの協力と連携を効率的に実施すると共に、研究ロードマップ検討および水化学技術の体系化・標準化などに継続して取り組むためには、それに相応しい連続性のある体制を構築し、中長期的視点に立って活動を継続することが不可欠である。このような認識に立ち、ここに水化学部会を設置する。

設立総会

日時:2007年6月25日(月) 13:30~15:00

場所:日本原子力発電(株) 本店 2階 第1~5会議室

〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町1-1

議事:

開会挨拶

  1. 部会長・副部会長候補推薦・承認
  2. 部会長・副部会長就任挨拶
  3. 水化学部会設置趣旨説明
  4. 水化学部会規約説明・承認
  5. 幹事候補推薦・承認
  6. 水化学部会活動方針紹介
  7. 連絡事項他

配布資料:

総1-1 「水化学部会設置趣意書」

総1-2 「発起人名簿」

総1-3 「水化学部会規約」

総1-4 「部会長・副部会長・運営委員会候補者,体制案」

総1-5 「活動方針」

第1回総会

日時:2007年9月28日(金) 12:00~12:30

場所:西日本総合展示場AIM-H会議室 (原子力学会「2007年秋の大会」N会場)

議事:

(1)部会長挨拶 (内田部会長)

    内田部会長より、部会総会開催にあたってのご挨拶をいただいた。

(2)設立総会議事録報告

    庶務幹事(東芝 高木氏)より、平成19年6月25日に開催された「水化学部会設立総会」の議事についてご報告いただいた。総会資料は部会ホームページに掲載されていることもあわせてご紹介いただいた。

(3)各小委員会活動報告

  ①運営委員会

    庶務幹事(東京電力 鈴木氏)より、平成19年8月7日に開催された第1回運営委員会の議事について報告があった。議事録は部会ホームページに掲載されていることもあわせて報告があった。

  ②定例研究小委員会

    定例研究小委員会委員長(東京電力 鈴木氏)より、第1回定例研究会の実績と今後の開催予定について報告があった。なお、第2回定例研究会は平成19年10月26日に開催する予定である旨の連絡を行った。

  ③広報編集小委員会

    広報編集幹事(日立GEニュークリアエナジー 布施氏)より、水化学部会ホームページの開設について、及び水化学部会報の作成についてご報告いただいた。部会員からのHP運営等に関する質問・意見の出し方について、およびHP掲載内容の過去分の管理方法について質問があり、質問・意見はHP表紙の「意見欄」に記載すると広報編集幹事が確認できること、またHP掲載情報データは保存されることとの回答があった。

  ④化学管理小委員会

    化学管理小委員会委員長(電中研 平野氏)より、以下の3点について報告があった。

    ・  小委員会名称の変更(旧名称:標準小委員会)

    ・  水化学管理手引き書および化学分析標準法を原子力学会標準標準あるいはJISとして制定する作業を開始したこと

    ・  原子力学会標準委員会内に上記標準・JISを検討する「水化学管理標準」分科会の設置申請準備を実施していること

(4)事務連絡

    庶務幹事より、総会終了後に「水化学部会企画セッション」が開催される旨の連絡を行った。

    内田部会長より、部会総会は原子力学会の定期大会(秋の大会・春の年会)にあわせて開催し、次回開催は平成20年3月の春の大会(於 大阪大学)となる旨の連絡があった。

 

以上

第2回総会

日時:2008年3月28日(金) 12:10~12:40

場所:大阪大学吹田キャンパスU2棟 U2-214 (原子力学会「春の年会」 G会場)

出席者:39名

議事:

(1)第1回総会議事録報告

    庶務幹事(東電 鈴木氏)より、平成19年9月28日に開催された「水化学部会第1回総会」の議事について報告があった。総会資料は部会ホームページに掲載されていることもあわせて紹介があった。

(2)会計報告

    庶務幹事(東芝 高木氏)より、平成19年度決算および平成20年度予算の報告があった。

(3)平成20年度運営委員会委員選挙結果報告

    選挙管理委員長(東電 鈴木氏)より、平成20年度の運営委員会委員選挙結果について,立候補者全員が過半数以上の信任を得て当選したことが報告された。

(4)各小委員会活動報告

  ① 定例研究小委員会

    定例研究小委員会委員長(東電 鈴木氏)より、第2回および第3回定例研究会の実績と,今後の開催予定について報告があった。なお、第4回定例研究会は平成20年6月頃に開催する予定である旨の連絡を行った。

  ② ロードマップフォローアップ(RMFU)小委員会

    RMFU小委員会幹事(東電 小野氏)より,小委員会の委員構成,活動実績および今後の活動予定について報告があった。

  ③ 被ばく・廃棄物低減小委員会

    被ばく・廃棄物低減小委員会幹事(関電 塚本氏)より,小委員会の目的,活動方針およびメンバー募集について報告があった。

  ④ 構造材・水相互作用(SWIS)小委員会

    SWIS小委員会委員長(JAEA 塚田氏)より,小委員会の目的,運営方法および今後の活動予定について報告があった。

  ⑤ 燃料・水相互作用(ZWIS)小委員会

    ZWIS小委員会委員長(三菱マテリアル 磯部氏)より,活動目的,運営方法および今後の活動予定について報告があった。

  ⑥ 化学管理小委員会

    化学管理小委員会委員長(電中研 平野氏)より,標準委員会での水化学管理分科会の活動状況,小委員会の活動方針について報告があった。

  ⑦ 企画活動

    企画幹事(原電 瀧口氏)より,H19年度の水化学部会企画活動実績,およびH20年度以降の企画活動計画について報告があった。

  ⑧ 広報・編集活動

    広報・編集幹事(日立GEニュークリアエナジー 布施氏)より、H19年度の活動内容,部会HP掲載内容およびメンバー募集について報告があった。

(5)事務連絡

    庶務幹事より、総会終了後に「水化学部会企画セッション」が開催される旨の連絡を行った。

    ZWIS小委員会委員長より,「2008年秋の大会で、核燃料部会と水化学部会の合同企画セッション開催する方向で調整中である」との連絡があった。

(6)その他

    部会員より,「旧研究専門委員会と同様に活動報告を図書(冊子)にまとめる予定はあるのか」,との質問があり,今後の運営委員会にて議論することとなった。

 

以上

第3回総会

日時:2008年9月4日(木) 12:00~12:30

場所:高知工科大学教育研究棟A A113(原子力学会「秋の大会」K会場)

出席者:26名

議事:

(1)部会長挨拶

    内田部会長から第3回総会にあたっての開催にかかる挨拶があった。

(2)水化学部会規約/水化学部会運営委員会内規審議

    庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,部会長,副部会長,および幹事の選出方法にかかる内規の追加改定について説明があり審議を行った結果,疑義なく承認された。また,部会運営委員会内規についても運営委員会にて制定した旨の紹介があり内規にかかるコメントはなかった。
規約については,次回理事会にて承認を得た後に発効し,部会ホームページに掲載することの紹介があった。

(3)委員等変更審議

    庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,広報・編集担当幹事が塩川氏(三菱重工)から荘田氏(三菱重工)に,被ばく・廃棄物低減小委員会は江河氏(関電)から中村氏(関電)に変更する旨の紹介があり,コメントなく了承された。

(4)各委員会活動報告

  ① 運営委員会

    庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,第4回,ならびに第5回の運営委員会を開催し内容を部会ホームページに掲載したことを紹介した。

  ② 定例研究小委員会

    定例研究小委員会幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,第4回開催報告,ならびに第5回開催案内の紹介があった。詳細は部会ホームページに掲載していることを紹介した。

  ③ 化学管理小委員会

    化学管理小委員会幹事(電中研 平野氏代理 太田氏)より,軽水炉水化学管理リファレンス・ブックの発刊検討,ならびに水化学技術の標準化について部会報第2号へ掲載したことの紹介があった。また,『水化学技術の普及に係わる戦略策定と技術移転』,および『水化学部会の研究活動に係わる報告書作成』を目的として活動を進めるとの紹介があった。

  ④ 企画活動

    企画担当幹事(原電 瀧口氏)より,2008年度活動実績と2009年度の活動計画について報告・紹介があった。水化学国際会議の国内開催(2012あるいは2014年度)は立候補準備が整い,本年9月の国際諮問委員会の場でこれを表明する予定である。アジア水化学シンポジウム(2009年10月 於:名古屋)については本年7月に実行委員会を立上げ活動を開始した。部会企画セッションとして次回テーマは「被ばく・廃棄物低減」を予定する。また,第5回水化学サマーセミナーが盛況に終えたとの報告があった。

  ⑤ 広報・編集活動

    広報・編集担当幹事(日立GE 布施)より,2008年度活動実績と2009年度の活動計画について報告・紹介があった。

  ⑥ 燃料/水相互作用小委員会,構造材/水相互作用小委員会,被ばく・廃棄物低減小委員会

    燃料/水相互作用小委員会,構造材/水相互作用小委員会,被ばく・廃棄物低減小委員会の活動状況について,燃料/水相互作用小委員会幹事(三菱マテリアル 磯部氏)からメンバーを部会ホームページを通じて募集している旨の報告があった。

(5)事務連絡

    財務担当幹事(東芝 高木氏)より,サマーセミナーの収支決算について概ねまとまっており,次回総会で紹介を行う旨の連絡があった。
庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,第2回総会議事録をホームページに掲載した旨の報告があった。また,総会終了後に「水化学部会・核燃料部会合同企画セッション」が開催される旨の連絡を行った。

以上

第4回総会

開催日時:平成21年3月23日(月) 12:00~12:30
開催場所:東京工業大学 大岡山キャンパス

西3号館W323(原子力学会「春の年会」B会場)

出席者 :29名
議 事 :

(1) 副部会長挨拶

山崎副部会長から第4回総会にあたって部会活動経緯などの説明と今後の活動にあたって挨拶があった。

(2) 選挙報告,部会運営委員等変更報告

選挙管理委員(東電 實重氏)より,平成21年2月に実施した選挙の結果報告があった。本報告は水化学部会部会運営委員会内規第8条に基づく報告であり,すでに部会員への報告を終えていることの報告があった。なお,平成21年度からの運営委員等は部会HPへ掲載するので参照いただきたいとのこと。

(3) 部会運営委員会等報告

① 運営委員会

庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,第6回,ならびに第7回の運営委員会を開催し内容を部会ホームページに掲載したことの紹介があった。

② 企画担当

企画担当幹事(原電 瀧口氏)より,2008年度3月までの活動実績と2009年度以降の活動計画について報告・紹介があった。至近の活動として,アジア水化学シンポジウム(2009年10月 於:名古屋)が開催されるので,参加と発表の募集について呼びかけがあった。

③ 広報・編集担当

広報・編集担当幹事(日立GE 布施氏代理 長瀬氏)より,2008年度活動実績について報告があった。また,ホームページを適宜更新しているので参照いただきたい旨の紹介があった。

④ 化学管理小委員会

化学管理小委員会幹事(電中研 平野氏)より,2008年度活動実績について報告があった。今後の活動は,学協会および業界における水化学研究や標準の動向を調査し知見について情報発信のうえ,将来の標準の改定に反映させるとともに,『水化学部会の活動報告書作成』として取りまとめることを目的として活動を進めるとの紹介があった。

⑤ ロードマップフォローアップ小委員会

ロードマップフォローアップ小委員会幹事(東大 勝村氏)より,水化学ロードマップ2009の作成工程の紹介があった。基盤小委員会への提出に向けて2009年6月末を目処に各課題に対する取組状況と今後の対応をまとめるとのこと。

⑥ 被ばく・廃棄物低減小委員会

被ばく・廃棄物低減小委員会幹事(関電 中村氏)より,2008年度活動実績について報告があった。被ばく線源低減,ならびに廃棄物低減に関する技術動向の調査と関係技術者間との技術交流を行いながら活動を進めるとの紹介があった。次回の小委員会の開催は,2009年6月を予定しているとのこと。

⑦ 燃料・水相互作用小委員会

燃料・水相互作用小委員会幹事(三菱マテリアル 磯部氏代理 實重氏)より,2008年度活動実績について報告があった。活動方針に変更がないとともに,核燃料部会,および材料部会と2009年7月に合同セミナーを開催予定であるとの紹介があった。

⑧ 構造材・水相互作用小委員会

構造材・水相互作用小委員会幹事(JAEA 塚田氏代理 實重氏)より,2008年度活動実績について報告があった。活動方針に変更はなく次年度から活動を本格化するとの紹介があった。

⑨ 定例研究小委員会

定例研究小委員会幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,第6回開催報告,ならびに第7回以降の開催にかかる紹介があった。開催報告の詳細は部会ホームページに掲載していることの紹介があった。

(4) 平成20年度会計報告

財務担当幹事(東芝 高木氏)より,2008年度の会計報告があった。部会活動遂行にあたり不足金が発生しなかったともに,サマーセミナーでは剰余金を計上し,次年度繰越しとした。次年度開催のシンポジウムについても補助金を受けずに開催する見通しであるとの紹介であった。なお,2008年度会計は学会事務局との最終確認を行い確定する段階であるとのことであった。

(5) 事務連絡

庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)より,総会終了後に「水化学部会企画セッション」が開催される旨の紹介を行った。

※ 総会当日は強風による交通機関の乱れにより運営委員等が参集できなかったため,庶務幹事(東電 鈴木氏代理 實重氏)から各委員会活動の代理紹介があった。

第7回総会

開催日時:平成22年9月17日(月) 12:00~12:20
開催場所:北海道大学 工学部

C棟 C214講義室(原子力学会「秋の大会」G会場)

出席者 :21名
議 事 :

1.副部会長挨拶

平野副部会長から第7回総会にあたっての挨拶があった。

2.規約・内規変更の審議

庶務委員(北海道電 渡辺氏)より、学会の一般社団法人への移行のため、今春の大会の総会において規約及び内規変更について承認されているが、学会より規約の雛形見直しにより再度規約の変更指示を受けたことから、規約変更(案)及び内規の変更(案)についての説明を行い、全会一致で承認された。

3.部会運営委員変更報告

庶務委員(北海道電 渡辺氏)より、瀧口委員(元原電)の退任により、内規第4条2に基き第12回運営委員会において久宗氏(原電)を企画担当委員代行として選任した旨の報告があった。

4.小委員会等報告

(1) 運営委員会

庶務委員(北海道電 渡辺氏)より、第11及び第12回の運営委員会の開催報告があった。

(2)企画担当

企画担当委員(原電 久宗氏代理 渡辺氏)より、2010年度上期までの活動実績と2011年の活動計画について報告・紹介があった。また、水化学国際会議2010において、2014年の水化学国際会議の日本開催について立候補する旨の報告があった。

(3)広報・編集担当

広報・編集担当委員(日立GE 布施氏代理 渡辺氏)より、2010年度上期までの活動実績について報告があった。また,ホームページ掲載内容や部会報への意見募集の紹介があった。

(4)化学管理小委員会

化学管理小委員会担当委員(電中研 平野氏)より、2010年度上期までの活動実績について報告があった。また、引続き、国内外の水化学管理標準の現状及び化学管理品質管理・保証の調査を進めるが、本小委員会の主な活動は学会の水化学管理分科会に移管されていることから、本小委員会の活動内容の変更又は改廃について検討している旨の紹介があった。

(5) 被ばく・廃棄物低減小委員会

被ばく・廃棄物低減小委員会委員(関電 黒田氏代理 渡辺氏)より、2010年度上期までの活動実績について報告があった。また、2010年度下期に本小委員会の開催を予定しているとの紹介があった。

(6)燃料・水相互作用小委員会

燃料・水相互作用小委員会委員(電中研 河村氏)より、2009年度に「核燃料部会-水化学部会合同勉強会」を立ち上げたことから、2009年度上期までの合同勉強会の活動実績について報告があった。また、2010年11月12日に原電本店にて第4回合同勉強会の開催及び勉強会の成果を、学会の大会の企画セッション等での紹介及び必要に応じてお互いのロードマップに反映する旨の紹介があった。

(7)構造材・水相互作用小委員会

構造材・水相互作用小委員会委員(JAEA 塚田氏代理 渡辺氏)より、材料部会との連携し、2010年8月に開催された「材料部会」夏季セミナーにおいて「水化学」の概要・現状についての紹介を行った旨の報告があった。また、本年秋に合同勉強会の開催を予定していることから、合同勉強会への協力依頼があった。

(8)定例研究小委員会

定例研究小委員会委員(東電 鈴木氏代理 堀氏)より、第10回開催報告及び2010年10月25日金沢勤労プラザで開催予定の第11回について紹介があった。また、第12回以降の開催については従来とおり年3回とするが、内1回は関東圏外(発電所立地付近)で開催、基調テーマは部会ホームページで公募する旨の紹介があった。

以上

部会報創刊号 編集後記

編集後記

 水化学部会が発足してまだ間もないのですが、広報編集小委員会では部会ホームページの立ち上げ、部会報の発刊等、会員各位に必要な情報を迅速かつ正確にお伝えできる仕組みを検討してきました。部会報につきましては、発行手続きの合理化と迅速化のため、部会ホームページのなかで皆様に見ていただく方式を採用しました。このたび、水化学部会報の記念すべき第一号を発刊することができ、なんとか所期の任を果たせたものと考えています。

本年は、水化学分野にとって、ロードマップの作成に続き、部会発足と大変記念すべき年になるものと感じますが、その中でこのような役割を果たすことができ光栄に思っています。ただし、ホームページにしろ、部会報にしろ、全体の枠組みについては、先行の部会を参考にさせていただいて構成しているため、今後、随時見直し、より良い内容にしていきたいと考えています。このため、会員各位のお知恵をお借りしてさらに向上させていきたいと思いますのでご協力を御願いいたします。

(日立GEニュークリア・エナジー 布施記)

部会報創刊号 会員の声

会員の声

20年以上にわたり,国内外の水化学技術向上に大きな役割を果たしてきた水化学研究専門委員会がその活動を終了し,今年6月25日に水化学部会として新たな活動をスタートさせました。

学生時代には水化学と縁がなかった私ですが,会社に入社しすぐに原子力発電所の水化学を担当することとなり,水化学について一から勉強することとなりました。このとき水化学研究専門委員会が編纂した「原子炉水化学ハンドブック」が水化学の教科書として大変役に立ちました。ハンドブックは今でも机の一番手の届きやすい場所においてあり,なにかというとハンドブックで調べ物をしております。

原子炉水化学ハンドブックや,昨年度に作成した「水化学ロードマップ」など,これまで大きな成果を残してきた水化学研究専門委員会ですが,部会に「昇格」したことで,他部門との交流も含めてこれまで以上に活発な議論がなされ,水化学分野のさらなる発展に貢献されることを期待しますし,また私自身も一部会員として積極的に部会活動に取り組みたいと思っております。

(東京電力(株)  宮澤 晃氏)

私は、2年前に水化学標準専門委員会の委員となり、水化学発展の一員として仲間に入り活動させて頂き、委員会が解散する年度末までの間、沢山の情報等を得られ非常に有益なものでした。また、この活動は言うまでもなく発電所のより良い水化学管理を目指したものであり、我々発電所の運営に有効なものとなることと確信しております。

今年度から新たに原子力学会「水化学部会」として、今後の軽水炉で予想される利用の高度化、高経年化への対応および燃料高度化の取り組みを本格化する方向から、水化学分野の一層の高度化・透明性を目指し取り組むこととなり、水化学部会の運営組織および活動方針が6月の総会にて決定された。

夫々の小委員会活動により、水化学活動の透明性は得られるものであるが、反面組織が膨らむことにより形だけのものに終わってしまう懸念もあり、事業者の立場からは従来の水化学の委員会活動と同様に、発電所の運営において懸念される材料との相互作用、被ばく・廃棄物発生抑制、標準化、人材育成と技術伝承等々の課題を着実に検討することで、発電所の安定運転に寄与する活動として、水化学部会に大きく期待している。

私も少なかれ本活動に参画させて頂き、水化学の発展に貢献できるよう頑張っていきたいと思っておりますので、皆様方のご指導をお願い致します。

(関西電力(株) 塚本 雅昭氏)

 水化学部会の立ち上げにご尽力いただきました方々にお礼を申し上げます。

また、部会参加させていただきますことを光栄に思います。

原子力ルネサンスと言われ、原子力に関する社会的関心と注目を集めつつある昨今、水化学分野においても、社会的に認知される技術文化を確立することが本部会における一つの使命と思います。

一方では、水化学は定量的な解釈および証明が極めて難しい技術分野であり、専門外の方々に認知される技術として成熟するためには多くの課題があるものと考えます。

知恵を出し合い、時間と労力を惜しまず繰り返えし議論することにより、道は開かれるものと思います。

(日立GEニュークリア・エナジー(株) 会沢 元浩氏)

水化学部会のスタートにあたり、下記の議論を通じて実り多き部会にしていきたいと思います。

①水化学の今後10年、20年先のあり方、研究の方向性:プラントの経年化が進み、ますます水化学の重要性が増してくると思われます。多分野(燃料、材料関係)との交流も深めて、水化学の今後のあり方、研究の方向性を持続的に議論していきたい。

②技術・知識の維持、人材の育成:原子力の商業発電が始まって40年近く経ちました。現場で活躍された方が退職され、これまで培われた技術、知識が失われることが懸念されます。水化学標準化や、本部会を通して、技術、知識を継承し、産学連携して人材の育成と技術の継承を図りたい。

③公平・公正性の確保:オープンな場で議論し、多くの方の意見を反映して成果を作り上げていきたい。

(日立・電開研  石田 一成氏)

 自分が「水化学」という言葉に初めて出会ったのは、平成14年の第17回「水化学最適化」研究専門委員会に参加した時でした。それまで全く馴染みのない学問分野だったため、最初は原子炉の水に関する化学について研究する分野だろうという、文字通りの事が推測できたぐらいでした。研究の目的を設定するための価値観を把握する事が出来ず、しばらくは何となく落ち着きの悪かった覚えがあります。

そんな時に職場の先輩から、内田部会長が講師をされていた東北大学インターネットスクールの“エネルギー化学工学特論”の受講を勧められました。その講義を受講したお陰で、ようやく、「水化学」の目的は原子力発電プラントにおける 1) 線量率の低減、 2) 構造材・燃料の健全性確保、 3) 廃棄物の発生抑制であり、そのために「原子力発電プラントでの冷却“水”の主として“化学”的な挙動について研究する」という事をはっきり認識できる様になりました。

一個人として私に出来る事は高が知れていますが、それでも今後、本部会に関する活動を通じて少しでも社会へ貢献できればと思っています。

(JAEA  中原 由紀夫氏)

今回専門委員会から部会に昇格したため、今までの専門委員会より組織が大きくなった。組織の大きい部会となったが、今までの小回りのきいた専門委員会と同程度の定例会が行われることを期待したい。また、部会に昇格したことから、他部会との交流を図っていくとのことであるが、是非期待したい。

(三菱重工(株)  西村 孝夫氏)

水化学部会の発足おめでとうございます。発足にあたりご尽力いただきました方々や、水化学標準委員会の時より、委員会の運営及び委員会において活発な議論に参加された方々には深く御礼申し上げます。

水化学部会となることは、その学問的意義やこれまでの活動内容が認められたということと共に、今後、更なる発展を期待するということであると思います。

部会になると大きな組織となりますが、同じ化学部門に携わる者同士が、部会長の内田先生を中心として業種や世代の垣根を越えて議論できる雰囲気を作っていっていただきたいと思います。私は、これが最終的には部会の発展、日本の原子力発電における化学技術の発展につながると信じております。私も部会の一員として貢献していきたいと思います。今後とも宜しくお願いします。

(日本原子力発電(株) 大平 拓氏)

部会報創刊号 燃料と水化学

燃料と水化学

原子燃料工業 土内 義浩

 

1.はじめに

平成18年度から19年度の日本原子力学会における水化学ロードマップの検討に、水化学-燃料サブワーキングのメンバーとして参加させていただきました。水化学の専門家の方々と積極的に意見交換し、ロードマップ作成という大きなプロジェクトに微力ながらも貢献できたことを光栄に感じます。このような貴重な場を与えて下さり、更に御指導、ご議論くださった方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。

ロードマップ検討の効果について語られる際に、技術的な課題や対応プランが明確になることだけでなく、異なる分野の関係者が集まって意見交換することで、交流が進むとともに相互理解が深まることも重要な効果であるとしばしば言われます。これについてはまさに実感するところです。今後も継続的に共同作業が行われ、分野の枠を越えた互いの理解が益々深まることを切に願います。

 

2.従来の課題とその理解

BWRの冷却材やPWRの一次冷却材の水化学は、燃料の健全性を左右する最も重要な使用環境因子の1つです。ところが、燃料メーカや関連研究機関の研究者、技術者のうち、水化学技術の分野に積極的に踏み込む者は一部に限られており、またその検討に携わる機会はそれほど多くないと感じます。ここで、水化学の改良はどちらかと言えば、燃料の健全性を向上させるというよりは、プラント材料の劣化を低減することを優先的に選択したものの方が多いように思います。また、水化学の改良は燃料に対して使用環境由来の負荷の増大をもたらす場合があります。PWRにおける一次冷却材のpHを高めるために高Li化を図るなどはその一例です。一方、燃料健全性への影響評価については、確認試験は長期を要し、またその代替策としての海外先行知見を活用するにしても、情報源が限られていることに加えて、必要な対価も極めて高くついてしまうというのが実情だと推察されます。

このようなことから、燃料の信頼性の向上・維持を責務とする「燃料屋」から見れば、水化学の改良とは燃料の健全性に対して新たな課題をもたらすものと認識されがちです。しかし、水化学ロードマップ検討の場において提案がなされたように、燃料の信頼性を考える際に最も重要な構成部材である燃料被覆管の腐食等の劣化を低減させるような水化学技術も重要といった考え方もあり、水化学の改良イコール燃料健全性に対する負荷増大という図式は一面的な見方であることがわかりました。

一方、燃料技術分野が他の分野(の方々)からどのように見えているのかとしばしば自問することがあります。小生の立場から正確に推し量ることは難しいと感じつつも、ここでは、自らを見つめ直すつもりで、燃料技術分野特有の問題意識やそれを生む土壌(事情)について恣意的ではありますが挙げてみることにしました。

 

(1)  材料技術の特徴

燃料集合体を構成する部材の設計では材料としてステンレスやNi合金が多く使用されているが、燃料要素(棒)はセラミックである酸化物燃料ペレットとジルコニウム合金製の被覆管で構成されています。これらの炉内挙動(例えば、ジルコニウム合金製被覆管の水側腐食に伴う水素吸収と脆化といったような)を評価するにあたっては、原子力以外の分野の技術や専門知を積極的に活用する機会に乏しく、比較的限られた世界で構築された知識基盤が拠り所となってしまう傾向があります。また、燃料材料は高速中性子束にさらされる環境下にあるため、炉外で把握できる材料特性や他分野からの知識を演繹・展開しての炉内挙動把握には自ずと限界があります。

 

(2)  製品の特徴

燃料は消耗品であるとともに炉内構造物でもあります。およそ3~4年程度の寿命中にわずかな寸法変化、腐食や腐食生成物付着はあるものの、外観上、顕著な消耗があるわけではなく、他の炉内構造物同様に寿命期間を通じて強度や延性といった機械的な健全性が要求されます。

ここで、寿命の途中で劣化の程度を精度よく把握する機会は上述の通り極めて限定的であるため、一般的には大きな保守性を伴う予測技術をもって、寿命末期までの健全性を評価することになります。このような状況の中でも、近年は燃料健全性に関するトラブルはほとんど無く、信頼性は十分に高いと認知されていると言えます。しかし、今後のアップレートや水化学高度化の中で、予測技術の保守性で確保されてきた燃料設計上のマージンは徐々に削減される方向であることは自明であり、この保守性に過度に依存しない精度の高い評価手法の必要性は高まっています。

 

(3)  規制を前提とした設計の特徴

原子炉内で燃料を安全に使用する(燃焼させる)ことに対しては、様々な国の規制の網が幾重にも掛けられています。したがって、燃料の設計には安全性や健全性の観点から、核的、熱水力的かつ機械的な観点から、多くの規制上の機能要求がなされ、高い説明性が求められています(例えば、被覆管の腐食を高々数%増加させる程度の水化学改良でさえも燃料技術の立場からはこれを殊更重大視する傾向は、この強固に張り巡らされた規制の網の存在によってより強調されるのが実情)。こういった状況の中、燃料の安全性を確保するための機能要求に対応した合理的な規格基準を設けることに向けて、学協会規格の積極的活用を図ることを視野に入れながら、その枠組みや内容についての議論が学会等の場において始まっています。その一方で、国がその成果を規制に活用するための合理的な仕組みについては、その方向性については意見の一致を見ているものの、具体的な運用方法、役割分担等の詳細については未だ議論の余地があり、今後の重要な取り組み課題であると考えられます。

また、新しく開発した燃料を実用化するにあたっての最終確認試験を行う場合、最も信頼性の高い手法の1つである実炉を利用した先行(実証)試験が有効であると考えられる一方で、この実炉を用いた試験を推進することが極めて困難というジレンマがあります。

 

上記のような状況は燃料分野固有のものではなく、技術的なものに限らず様々な課題を各々の分野が抱えているとは容易に想像できますが、これらの課題のうち、一方から他方の分野を見た時にその境界を通して明確に見えていたものは、残念ながら限定的なものであったと言わざるを得ないのではないでしょうか?それが、現在は、ロードマップ策定を初めとした異なる分野の関係者が集まる検討の場を通して、少しずつ相互理解が深まりつつあり、お互いの分野への影響まで俯瞰しつつ課題を解決していく効果的な協力関係を構築するに相応しい環境が整ってきたように感じています。

 

3.ロードマップとこれからの協力関係

平成18年度から原子力学会において「軽水炉燃料の高度化に必要な技術検討」特別専門委員会が立ち上がり、産官学の専門家が集まって、燃料の高度化に伴う課題と今後の対応方針について検討を行っています。具体的なアクションとしては、燃料の安全性についての学協会規格に関連する検討と技術戦略マップのローリング(見直し)であり、それぞれに対して作業会を設け活発な議論を行っており、今後も活動は継続的に行われる予定です。

ここで、技術戦略マップのローリングとは、最新の知見、議論、動向を踏まえて逐次バージョンアップを図るものです。平成16年度に学会で検討された「燃料高度化ロードマップ」をベースに、その後重ねられた議論の反映により、平成19年7月には「燃料高度化技術戦略マップ2007」が策定されました。その中では、BWR及びPWRの今後の技術開発と優先して対応すべき技術課題とその対応スケジュールが明確にされました。また、知識(情報)、人的、施設、及び制度的基盤の整備についても議論が行われています。さらに、この技術戦略マップは、濃縮度5%制限に関する課題、第二再処理工場等、燃料技術分野として直接取り扱うものではないもののロードマップを描くにあたって、また技術開発を進めるにあたって重要と考えられる課題も環境的課題としてその導入シナリオに位置付けることにより、将来の継続的検討を可能とするものとなっています。

水化学分野とは、技術的な動向、課題、解決策やそのために必要な基盤を適宜共有し相互協力を図るとの観点から、水化学ロードマップとのリンクを重要な環境的課題の1つとして燃料高度化の技術戦略マップ中に挙げています。

これまで検討が行われてきた水化学や燃料高度化に関するロードマップについて、(詳細な内容には触れませんが)それらを俯瞰し、また各々の場での議論を踏まえて今後の水化学分野と燃料分野の協力関係について考えるに、炉水条件を変更するような新しい水化学技術を適用する場合には燃料に及ぼす影響について事前に十分に勘案し、被覆管の腐食や水素吸収について機構論に基づく検討や、水化学技術の動向を十分に把握した上での燃料技術開発や燃料健全性評価技術の向上を図るといった先見的、かつ効率的な取り組みが今後益々重要になっていくと考えられます。このためには、まず異なる分野が互いに積極的に情報共有に向けて協力しあうことが不可欠であり、さらに、電力やメーカ、研究機関による効果的な役割分担に基づくロードマップに沿った効率的な開発推進も重要と考えられます。また、国には規制当局および推進の支援者としての2つの異なる役割があり、今後も高度化の可能性と必要性を十分に踏まえた上で、国内の軽水炉関連技術に対して、透明性や公平性を確保しつつ産学との合理的な協力関係を構築し、ロードマップに挙げられているような課題解決の一翼を積極的に担う役割が望まれます。

水化学や燃料の高度化を図るにあたっては、大規模なインフラ整備や、単にボランタリーなレベルにとどまらない戦略的な国際協力も重要と考えられます。これらは産学だけで実現できるものではなく国の関与が必須となりますが、ロードマップに目標や優先すべき技術課題や対応策を先見的に明示することにより、国の協力も得られやすくなるのではないかと考えられます。

昨今の国内の原子力技術に対する認識の高まりは好ましいことです。ただし、原子燃料サイクル確立や高速炉技術開発といった特定の分野に目が向けられがちな中で、水化学や燃料といった現実に実用化されている目の前の軽水炉に関する技術についても、公益性や安全性の向上のために今後も改良、高度化の余地が大いにあり、技術開発が不可欠であるとのコンセンサスを広く獲得して行く努力が重要であると感じています。

今後も、水化学技術と燃料技術という分野はそれぞれが目標に向かって研鑽することが重要であるとともに、さらに両者がWin-Winとなるようなアクティビティが望まれます。そのために、主に学会の場を通じて専門家間で技術開発動向や知識、研究開発施設や人といった基盤を共有することが重要であり、それが種々の合理的な課題解決につながって行くことと思います。