水化学部会定例研究会開催概要
水化学部会では最新のプラントに関する情報交換を目的に定期的に研究会を開催している。最近行われた研究会の概要及び講演テーマを次回開催予定の研究会と併せて下記に示す。なお,各講演資料は水化学部会ホームページに掲載されているので,詳細についてはそちらを参照下さい。
◎ 第23回研究会(平成27年3月12日:電源開発株式会社本店)
基調テーマ「NPC2014札幌」及び「水化学管理基準の制定」に関する報告
2014/20/26-31に札幌で開催されたNPC2014の概要と得られた技術成果について報告された。また、システム安全専門部会水化学管理分科会で作成中のBWRおよびPWR水化学管理指針の作成状況と内容について紹介された。
講演1:原子力発電プラントの水化学に関する国際会議2014札幌実施報告
元(株)東芝 瀧口 英樹 氏、(株)東芝 高木 純一 氏
講演2:水化学管理標準の制定に係る取り組みついて
(一社)原子力安全推進協会 北島 英明 氏
講演3:講演タイトル:BWR水化学管理指針の策定とその内容
(一財)電力中央研究所 平野 秀朗 氏
講演4:講演タイトル:PWR水化学管理指針の策定とその内容
(一財)電力中央研究所 河村 浩孝 氏
◎ 第24回研究会(平成27年6月15日:オルガノ株式会社本社ビル)
基調テーマ「除染・廃炉技術」および「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」
ふげんと浜岡1,2号機の廃止措置の状況について、トリチウム処理や除染を中心に報告された。また通常プラントの除染技術、福島向け建屋除染技術、固形分を含む水の撒く処理技術などが報告された。また、原子力学会安全対策高度化技術検討特別専門委員会による「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」の検討状況が紹介された。
講演1:「ふげん」廃止措置における系統除染とトリチウム除去
(国研)日本原子力研究開発機構 森田 聡 氏
講演2:浜岡原子力発電所1,2号機における系統除染と廃棄物量評価について
中部電力(株) 山崎 直 氏
講演3:化学除染及び化学除染二次廃棄物低減技術
(株)日立製作所 石田 一成 氏
講演4:福島第一原子力発電所の環境改善活動と技術開発
(株)東芝 酒井 仁志 氏
講演5:排水向け固液分離処理への膜処理技術適用について
オルガノ(株) 大橋 伸一 氏
講演6:軽水炉安全技術・人材ロードマップについて
日本原子力発電(株) 久宗 健志 氏
◎ 第25回研究会(平成27年10月22日:四国電力株式会社総合研修所)
基調テーマ「長期停止後の再稼働対応及び再稼働に向けた化学管理」
震災後の再稼働に向けてPWR一次系、二次系の化学管理や準備状況について、電力、メーカーの双方からの報告があった。1Fの状況についても報告された。また2015/9/24-26にインドで開催されたアジア水化学シンポジウム2015の概要について報告された。
講演1:伊方発電所3号機長期停止後に向けた化学管理について
四国電力(株) 菊池 士朗 氏
講演2:川内原子力発電所1号機再稼働時の2次系化学管理
九州電力(株) 松井 亮 氏
講演3:プラント再稼働に向けた1,2次系水化学管理要領への提案
三菱重工業(株) 石原 伸夫 氏
講演4:福島事故から再稼働に向けてのBWRプラント水化学の取り組み
(株)東芝 高木 純一 氏
講演5:アジア水化学シンポジウム2015(主催国:インド)の概要報告について
日本原子力発電(株) 久宗 健志 氏
◎ 第26回研究会(平成28年3月15日:秋葉原UDXビル)
基調テーマ「人材育成・情報整備に係わる取り組み」
水化学ロードマップ2009の「人・情報の整備」の内容の紹介の後、大学、電力会社、研究機関、およびメーカーのそれぞれの立場での水化学関連技術者の人材育成について具体的な取り組みや抱えている課題などが紹介された。また、講演の後、参加者によるパネルディスカッションが行われた。
講演1:水化学部会における「人財育成・情報整備」取り組み
日立GE・ニュークリア・エナジー(株) 会沢 元浩 氏
講演2:大学における原子力人財育成の取り組み 東北大学を例として
東北大学 渡辺 豊 氏
講演3:人材育成・情報整備に係る研究機関の課題と取り組み ~電中研の場合~
(一財)電力中央研究所 河村 浩孝 氏
講演4:東芝における水化学技術者育成について
(株)東芝 浦田 英浩 氏
講演5:プラント長期停止における若手水化学管理要員の人材育成について
関西電力(株) 久家 俊治 氏
講演6:伊方3号機再稼働時の化学管理における人材の育成と確保について
四国電力(株) 浦戸 洋幸 氏
◎ 第27回研究会(平成28年6月3日:(株)東芝横浜事業所)
基調テーマ:「福島第一原子力発電所廃止措置の現状と今後の取り組み」
震災発生以降、福島第一原発で行われた汚染水処理に関する取り組みと現在の状況に加え、廃炉の取り組みの中で発生する廃棄物の処理処分および今後重要となるデブリ取出しのための性状把握に関する研究開発の状況について紹介された。
講演1:福島第一原子力発電所廃止措置に向けた取り組み
東京電力ホールディングス(株) 白木 洋也 氏
講演2:サブドレン水処理の状況
日立GE・ニュークリア・エナジー(株) 北本 優介 氏
講演3:圧力容器/格納容器向け防錆剤の水処理設備への影響評価
IRID/(株)東芝 田嶋 直樹 氏
講演4:福島第一原子力発電所事故廃棄物の処理・処分技術開発の概要
IRID/(国研)日本原子力研究開発機構 宮本 泰明 氏
講演5:デブリ性状に関する研究開発の状況
(国研)日本原子力研究開発機構 高野 公秀 氏
◎ 第28回研究会(平成28年11月18日:堂島リバーフォーラム)
基調テーマ: 「被ばく線源低減」
震災後、プラント再稼働に向けた準備が進められる中でBWR、PWRのそれぞれで、これまで行われてきた被ばく低減の取り組みが紹介されるとともに、メーカーからは新たな被ばく低減技術の提案がなされた。また、放射性廃棄物固化のための新しい技術も紹介された。
講演1:東京電力における線源低減の取組み
東京電力ホールディングス(株) 鈴木 純一 氏
講演2:関西電力における線源低減活動状況
関西電力(株) 青木 政徳 氏
講演3:BWRの被ばく低減対策技術
日立GEニュークリア・エナジー(株) 露木 瑞穂 氏
講演4:PWRプラント再稼働後の被ばく低減対策
三菱重工業(株) 西村 孝夫 氏
講演5:高線量廃棄物の固化技術の開発
(株)東芝 松山 加苗 氏
◎ 第29回研究会【予定】(平成28年3月1日:日本原子力発電株式会社本店)
「水化学に係る深層防護」に関する議論と2016年10月にイギリスで開催された水化学国際会議2016(NPC2016)の報告を予定している。
以上