7.1水化学共通基盤技術
_水化学ロードマップ2020のとりまとめに当たっては、1F事故の教訓から、これまで記載の無かった核分裂生成物挙動についての記載が必須との合意が水化学ロードマップフォローアップ検討WG内で得られた。核分裂生成物の生成、蓄積、事故時を中心とした燃料からの放出、移行挙動に関する基礎事象を体系化し、これまで体系的な研究がなされてきた放射性ヨウ素に加えて、比較的データの少ない放射性セシウム、ストロンチウム等の挙動に関するデータを整備することが強く望まれている。
_水化学ロードマップ2009では、水化学の共通基盤技術として、燃料及び構造材料の腐食あるいは付着物析出に起因する諸事象の本質を理解し、燃料及び構造材料の健全性を確保し、同時に、線量率の低減・廃棄物発生量の抑制を図るための水と燃料及び構造材料の相互作用の基礎メカニズムの解明と、プラント全体の腐食環境の把握に不可欠な「水化学、腐食に係わる共通基盤技術(水化学ロードマップ2009 [7.1-1] における共通基盤技術)」を取り上げてきたが、水化学ロードマップ2020では、さらに核分裂生成物挙動に関する共通基盤技術を加えることとなった。
_今回の水化学ロードマップのローリングの主眼は、1F事故を受けて、深層防護レベルに対応した水化学の研究開発の位置づけを明確にして、ロードマップを見直した(表4-1-2)。